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松浦弥太郎《日々の100》——004
- Autor: Vários
- Narrador: Vários
- Editor: Podcast
- Duración: 0:04:07
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Sinopsis
《日々の100》松浦弥太郎004 エンリーべグリンの財布二年に一度、財布を新調(しんちょう)している。二十代半ば(なかば)の頃、十歳以上年上の人達ばかりとつきあっていて、「財布はいいものを持たないといけない」と口うるさく言われた。すでに世に出て、何かしらの仕事を成した大人たちの言葉は重かった。「そんなよれよれの財布には、いつまでたってもお金は入ってこないぞ」こうまで言われると、どれほど愛着(あいちゃく)ある財布であっても替えたくなった。僕の唯一の取り柄(とりえ)は素直さだ。どんな財布がいいのか、と訊くと、シンプルで、大きくて、上質で、しっかりとしていて、一歩下がったところから眺めて(ながめて)きれいと思うものがいい、と教えてくれた。そして、いつも手入れをしなさい、とも。財布の中身は、いつも整理整頓(せいりせいとん)しておくこと。カード類は最低限にすること。革製(かわせい)なら週に一度は磨くこと。パンツの後ろポケットなどに入れたまま座ったりしないこと(これはお金を尻に敷く(しく)ことになるから絶対駄目だと言われた)。お札の向きは必ず揃えること。できれば小銭(こぜに)入れを別に持つこと。一つの財布を二年以上使わないこと。その人は僕と膝(ひざ)を突き合わせながら話してくれた。最後に、これこそお金に不自由しない秘訣(ひけつ)だ、とつぶやいた。ここ数年、イタリアのレザーブランド、エンリーべグリンの財布を愛用している。財布の教えはずっと守っている。秘訣は正しい。