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松浦弥太郎《日々の100》——003
- Autor: Vários
- Narrador: Vários
- Editor: Podcast
- Duración: 0:02:39
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Sinopsis
《日々の100》 松浦弥太郎003 ネイティブアメリカンのお守り基本的にアクセサリーは好まない〔このまない)。指輪やネックレスをしている男を見ると、男のくせに、と眉間(みけん)に皺(しわ)を寄せたりする。昔から身を飾るという行為にどうも抵抗があるのは、心のどこかで、簡素(かんそ)で美しい禅僧(ぜんそう)の容姿(ようし)に憧れているからかもしれない。はじめて身につけたアクセサリーは、ニューメキシコの旅でネイティブアメリカンのおじさんにもらったターコイズの指輪だ。別れるときにお守りにしろと言って手渡された。お守りか……。そう思ったら、つけてみても良い気になった。大きくて青々としたターコイズの指輪なので、それを見た大抵(たいてい)の人は目を大きく見開く(みひらく)。「お守りなんです」それは何ですか?と訊かれる前に、こう言って照れを誤魔化す(ごまかす)。身につけているとネイティブアメリカンの祈りに守られている心地がして、満更(まんざら)でなくなった。しかし自分の中では、あくまでもお守りであってアクセサリーではない。アメリカの旅に出かけると、無意識にお守り探しをしている自分がいる。四〇年代に作られた手の込んだもの。いろいろある部族(ぶぞく)の中でも意匠(いしょう)が細かい(こまかい)ズニ族のお守りが好きだ。今では意外とうるさい自分がいる。旅の途中、他人から服装はほめられないが、お守りはいつもほめられる。誰かにほめられたくて旅に出てるのかと思うときさえある。