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坂本真绫欧洲游记——From Every Where 2-1

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Sinopsis

【2日目】-1昨日は長い月曜日になった。結局飛行機の中でも全然眠れなくて、つまりその前の晩からほとうど丸2日間起きっぱなしだったわけで、ホテルの部屋にたどり着いたとたん気を失うようにしてベットに倒れ込んだ。夢も見ずに深く、深く眠って、次に目覚めたのはなんと11時間後。こんなにたくさん寝たのは久しぶり。見慣れない天井と壁紙の模様を見て、そういえばパリに来ているんだったと思い出す。のそのそと起き出して窓を開けるとひんやりと冷たい空気が頬に触れた。梅雨の前触れでもう蒸し暑かった東京に比べるとこっちはずいぶん肌寒い。夏物の薄いパーカーしか持って来なかったけど、もしかして上着が必要だったかな。さっきから何か良い匂いがすると思ったらどうやら向かいの建物の1階はパン屋さんみたいだ。ひっきりなしに緑色の扉が開いてお客さんが出入りしている。こんなに朝早くから、みんなパンを買いに来るんだなあ。これから学校や会社へ行くのだろうか、彼らは。見上げれば薄水色の空。雲ひとつない。とても静かで平穏な一日の始まり。私、本当にパリにいるんだよね。まだ半分寝ぼけている。今夜はメグミさんと食事の約束をしている。夜7時にオペラ座の前で待ち合わせ。メグミさんというのは昨日私がパリ. シャルル .ド . ゴール空港に降り立つや否やさっそく迷子になっているときに偶然出会った(助けられた、かな?)、日本人の女の子。彼女もひとり旅で、今回が初めてのパリなのだという。 「北海道のケーキ屋で働いていたんですけど。そこを辞めて東京のお店に転職することになって。その隙間に、思い切って来ちゃったんです。本場でお菓子をいろいろ食べてみたいと思って。」 「へえ!パティシェさんですか?素敵~」 「そちらは?」 「私は、実は5週間の旅に出たところで……」 「えっ、5週間?」 「パリだけじゃなくて、色々ヨーロッパを巡ろうと思っていて」 「ひとりで?すごーい!」ひとりぼっちの心細さを紛らわすのようにお互い饒舌(じょうぜつ)だった。小柄でリスみたいにクスクスと笑うかわいらしい人。どちらからともなく滞在中に一緒にご飯でも食べましょうかという話になり、連絡先を交換。初日からいきなり誰かと夕食を共にすることになるとは。たかがホテルまでの道のりが、昨日は大冒険だった。