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日本の昔话15——鏡の中の親父

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Sinopsis

むかしむかし、田舎(いなか)では、カガミという物をほとんど知らなかったころの話です。  ある若夫婦が、夫の父親と三人で仲良くくらしていました。  ところがある日の事、父親は急な病で死んでしまったのです。  大好きな父親に死なれた息子は、毎日毎日、涙にくれていました。  さて、ある日の事、その息子は気ばらしにと、江戸の町へ出かけました。  そして町中をぶらぶらと歩いていると、店先においてあったカガミがピカリと光ります。 「おや? 今のは何だろう?」  不思議に思った息子は、ピカッと光ったカガミをのぞいてみてびっくり。 「死んだ親父に、こんなところで会えるとは!」  カガミにうつった自分の顔を父親と勘違いした息子は、なけなしのお金をはたいて、そのカガミを買いました。  そしてそれを大事にしまうと、ひまさえあればのぞき込んでいました。  そんな夫の行動を不思議に思った女房は、夫が昼寝(ひるね)をしているすきに、隠してあるカガミをこっそりのぞきこみました。  するとカガミの中には、とうぜん、女房の顔がうつります。  しかしそれを見た女房は、血相(けっそう)を変えて怒りました。 「なんとまあ! こんなところにおなごをかくしておるとは、それもあんなブサイクなおなごを!」  腹を立てた女房は、   ガシャーン! と、大切なカガミをこわしてしまいました。 「さあ、ブサイク女。よくもあたしからあの人をうばいやがって、はやく出てこい!」  女房はこわれたカガミをひっくり返してみましたが、もちろん、だれも出てはきません。 「ちくしょう。逃げたな!」  女房は気持ちよさそうに昼寝をしていた夫をたたき起こすと、こわい顔でいいました。 「あんた! わたしにだまって、あんな所へおなごをかくしておるとは、どういうこと!」 「はあ? おなご? なにを一体・・・、ああっ! なんという事をしてくれた。あれにはわしの親父が入っておったのに!」 「うそおっしゃい。ブサイクなおなごじゃったよ」 「なにをいう。わしの親父だ!」  そんなわけで、夫婦の大げんかが始まりました。  ちょうどそこへ、村一番の物知りの庄屋(しょうや)さんが近くを通りかかりました。 「まあまあ、なにをけんかしておる。落ち着いて、わしに事情を話してみろ」  そして二人の話を聞いた庄屋さんは、腹を抱えて大笑いです。 「あははははっ。何じゃ、そんな事か。それはな、カガミといって、自分の姿がう