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坂本真绫欧洲游记——From Every Where 2-6

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Sinopsis

【2日目】-6何よりカルチャーショックだったのは、地下鉄の中まで犬を連れてる人がすごく多いこと。キャリーバッグに入れている人はほとんどいなくて、みんなリードをつけてそのまま歩かせて乗って来る。日本では盲導犬以外見かけない光景なので最初はかなりびっくりした。一度など、私が座っているボックス席の向かいの椅子に毛むくじゃらのモップみたいな犬を連れた女性がやって来たんだけど、そのモップ犬が私の靴の上にドカンと座ったのだ。「えーっ!」と、思わず声に出して言ってしまった。ありえない。私は動物が好きな方だからいいけど、世の中には嫌いな人もいるだろうし、アレルギーの人だって……でも飼い主の女性はまったく気にしないどころか、目を丸くしている私に、「うちの子かわいいでしょ」と言わんばかりにニッコリ笑いかけてきた。犬のほうもこっちを見上げ「お散歩嬉しいですー」みたいなのんきな顔をしてる。なんだか、細かいことを気にしている自分のほうがおかしいのかなという気になってくる。街中や駅のホームで立ってサンドイッチを頬張る人の多さも、私にはお行儀が悪いことに見えて非常識なんだけど、こっちでは当たり前のことみたい。誰も気にする様子はない。所変われば常識も変わる。 メグミさんは、待ち合わせの7時を15分過ぎても約束の場所にやって来なかった。おかしいなあ。電話をかけても繋がらない。はて。道に迷ってるのかな。それとも気が変わっちゃったんだろうか。昨日たった数分間一緒にいただけの彼女、どんな髪型だったっけ、どんな服装だろう、所在なくあたりを見回していたけど、そのうち急に「ま、いいか」という気分になってオペラ座前の石段に腰をおろした。私の周りにはほかにもたくさんの人が誰かを待ちながら、同じように石段に座ってる。相手が来て去って行く人、明らかにイライラしている人、約束があるのかそれとも何も予定がないのかひたすら本を読みふけっている人。それぞれの理由、それぞれの待ち方。 メグミさんは、きっとそのうち来るだろう。もし来なくても、それならそれで仕方ない。変だけど、今はこんなふうに誰かをただ待つという時間がそれだけでなんだかとても、楽しくて、懐かしい、心地のいいものだった。できればメグミさんがもっと遅れてくれたらいいなとすら思った。こんな宙ぶらりんな時間をしばらく味わっていたくて。