Jennykaede??????

日本の昔话12——節分の鬼

Informações:

Sinopsis

むかしむかし、ある山里に、ひとりぐらしのおじいさんがいました。  この山里では今年も豊作で、秋祭りでにぎわっていましたが、だれもおじいさんをさそってくれるものはおりません。  おじいさんは、祭りの踊りの輪にも入らず、遠くから見ているだけでした。  おじいさんのおかみさんは、病気で早くになくなって、ひとり息子も二年前に病気で死んでいました。  おじいさんは、毎日、おかみさんと息子の小さなお墓に、お参りする事だけが楽しみでした。 「かかや、息子や、早くお迎えに来てけろや。極楽(ごくらく→天国)さ、連れてってけろや」  そう言って、いつまでもいつまでも、お墓の前で手を合わせているのでした。  やがて、この山里にも冬が来て、おじいさんの小さな家は、すっぽりと深い雪に埋もれてしまいました。  冬の間じゅう、おじいさんはお墓参りにも出かけられず、じっと家の中に閉じこもっています。  正月が来ても、もちを買うお金もありません。  ただ、冬が過ぎるのを待っているだけでした。  ある晴れた日、さみしさにたえられなくなって、おじいさんは雪にうまりながら、おかみさんと息子に会いに出かけました。  お墓は、すっかり雪にうまっています。  おじいさんは、そのお墓の雪を手で払いのけると。 「さぶかったべえ。おらのこさえた甘酒だ。これ飲んであったまってけろ」  おじいさんは甘酒をそなえて、お墓の前で長いこと話しかけていました。  帰る頃には、もう、日もくれていました。  暗い夜道を歩くおじいさんの耳に、子どもたちの声が聞こえてきます。 「鬼は~、外! 福は~、内!」 「鬼は~、外! 福は~、内!」  おじいさんは、足を止めてあたりを見回しました。  どの家にも明かりがともって、楽しそうな声がします。 「ほう、今夜は節分(せつぶん)じゃったか」  おじいさんは、息子が元気だった頃の節分を思い出しました。  鬼の面をかぶったおじいさんに、息子が豆を投げつけます。  息子に投げつけられた豆の痛さも、今では楽しい思い出です。  おじいさんは家に帰ると、押し入れの中から、古いつづらを出しました。 「おお、あったぞ。むかし息子とまいた節分の豆じゃあ。ああ、それに、これは息子がわしにつくってくれた鬼の面じゃ」  思い出の面をつけたじいさんは、ある事を思いつきました。 「おっかあも、かわいい息子も、もういねえ。ましてや、福の神なんざにゃ、とっくに見はなされて