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日本の昔话12——節分の鬼
- Autor: Vários
- Narrador: Vários
- Editor: Podcast
- Duración: 0:10:01
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Sinopsis
むかしむかし、ある山里に、ひとりぐらしのおじいさんがいました。 この山里では今年も豊作で、秋祭りでにぎわっていましたが、だれもおじいさんをさそってくれるものはおりません。 おじいさんは、祭りの踊りの輪にも入らず、遠くから見ているだけでした。 おじいさんのおかみさんは、病気で早くになくなって、ひとり息子も二年前に病気で死んでいました。 おじいさんは、毎日、おかみさんと息子の小さなお墓に、お参りする事だけが楽しみでした。 「かかや、息子や、早くお迎えに来てけろや。極楽(ごくらく→天国)さ、連れてってけろや」 そう言って、いつまでもいつまでも、お墓の前で手を合わせているのでした。 やがて、この山里にも冬が来て、おじいさんの小さな家は、すっぽりと深い雪に埋もれてしまいました。 冬の間じゅう、おじいさんはお墓参りにも出かけられず、じっと家の中に閉じこもっています。 正月が来ても、もちを買うお金もありません。 ただ、冬が過ぎるのを待っているだけでした。 ある晴れた日、さみしさにたえられなくなって、おじいさんは雪にうまりながら、おかみさんと息子に会いに出かけました。 お墓は、すっかり雪にうまっています。 おじいさんは、そのお墓の雪を手で払いのけると。 「さぶかったべえ。おらのこさえた甘酒だ。これ飲んであったまってけろ」 おじいさんは甘酒をそなえて、お墓の前で長いこと話しかけていました。 帰る頃には、もう、日もくれていました。 暗い夜道を歩くおじいさんの耳に、子どもたちの声が聞こえてきます。 「鬼は~、外! 福は~、内!」 「鬼は~、外! 福は~、内!」 おじいさんは、足を止めてあたりを見回しました。 どの家にも明かりがともって、楽しそうな声がします。 「ほう、今夜は節分(せつぶん)じゃったか」 おじいさんは、息子が元気だった頃の節分を思い出しました。 鬼の面をかぶったおじいさんに、息子が豆を投げつけます。 息子に投げつけられた豆の痛さも、今では楽しい思い出です。 おじいさんは家に帰ると、押し入れの中から、古いつづらを出しました。 「おお、あったぞ。むかし息子とまいた節分の豆じゃあ。ああ、それに、これは息子がわしにつくってくれた鬼の面じゃ」 思い出の面をつけたじいさんは、ある事を思いつきました。 「おっかあも、かわいい息子も、もういねえ。ましてや、福の神なんざにゃ、とっくに見はなされて